特許登録保証:登録されなければ全額返金保証
登録されなければ、全額返金、という保証をやってみようかと思います。
ただ、登録保証するには、最初にある程度きちんと調査をした上でないと、同じような特許が以前に出願されていた可能性もあるので、危険です。
そういう意味で、登録保証するには、ある程度料金が高くなってしまうかも知れません。
他の弁理士のHPで登録保証はしているが、12万円アップ、というのを見たことがあります。
その12万円で、先行技術調査をしっかりして、明細書もいろんな補正ができるようにしっかり書けば、特許査定にすることは9割以上可能でしょう。
私は、事務所開設直後に受けた案件は数年間で100%の登録率でした。
しかしながら、こういう経験をすると、大抵のものは特許になる、という自信が生まれてきて、最初の案件の評価が甘くなっていく傾向があります。
あれが特許になったんだから、これも大丈夫だろう、というような感覚がだんだんと強くなることがあります。
そうなると、それまでは、これは特許になりません、と言って、出願をしないように勧めていたのが、ほとんと登録できないものまで希望どおりに出願をするようになるかも知れません。
初期には、特許性を非常に気にして、これは特許にならない、と出願を拒否していたのに、ある程度になると、もしかしたら特許になるかも知れないから出願しておこう、という感覚になることがあります。
これは、以前、この発明は特許にならないだろう、というのを無理くり特許出願して、特許にできた経験があると、どれが特許になるかの判断基準が、自分よりも特許庁の方が甘い、と気づく場合があります。
すると、むげにこれは特許になりません、と出願を断るよりも、とりあえず出願して、拒絶理由を見て判断する、という考えもあるでしょう。
つまり、特許登録(特許査定)が高いほど、これも特許になるかも知れない、と特許性の判断が甘くなってしまうおそれがあります。
長くやっている弁理士や事務所ほど、そういう考えになりやすく、どれが特許になるかは、出願してみないとわからない、という考えて出願するようになる可能性もあり得ます。
究極を言えば、ある発明が特許になるかどうかはわかりません。これはありそうだから、特許にならない可能性が高い、と思った案件があっさり特許になったり、これは特許になる可能性が非常に高い、と思った発明が、非常にマイナーな学会でほとんど同じ発明が発表されていたために、メインのクレーム(請求項)は特許にならず、限定した小さな権利範囲しか取れなかった、ということも起こりえます。
つまり、特許庁の審査官がどの程度の引用文献を持っているかによっても、特許になるかどうかの判断は変わります。
さらに、審査官によって進歩性の判断が違います。アメリカのサイトによると、特許査定率が10%の審査官もいれば、90%の審査官もいます。
当然、特許登録率90%以上の審査官に当たった方が特許になる可能性が高いです。つまり、審査官によっても、特許になりやすい審査官と、特許にする基準が非常に厳しい審査官がいる、ということです。
これらのことが、特許登録の可能性が不確実なものにしています。
さらに、もっと言えば、女性の審査官も多いのですが、産休に入る前の審査官だと甘くなりやすいのでは?とも疑っています。
こうした、法律以外の要因によっても特許登録率は変わります。そういう意味で、特許が登録できるかどうかは不確定要素が多いです。
それでも、登録保証をやってみようか、と考えているのは、それだけ特許にできる自信があるからです。
ほとんど無理筋の特許も成立させた経験がありますから。
特許登録保証については、いずれ発表する予定です。
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